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エアガンで銃刀法違反に問われる?所持することが違法な例

エアガンのカスタマイズについて、その範囲が法律的にどこまで許されているのか、または違法となるラインはどこなのか、気になる人は多いかもしれません。

 

さらに、古くから持っているエアガンや友人から譲り受けたものを安心して使用できるのか、その確証が持てずに不安を感じている方もいるかもしれません。

 

誰しも銃刀法違反の犯罪者になることは避けたいものです。ここでは「改正銃刀法」について詳しく解説し、エアガンが合法か違法かを見極めるための知識を紹介します。

 

また、自身のエアガンが銃刀法に触れる可能性がある場合の対処法も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

銃刀法違反になるエアガンとは?

エアガンが銃刀法違反となる可能性がある状況はいくつかあります。たとえば、法律で定められた威力を超えてしまっている場合や、規定された素材以外で製造されているエアガンを持っている場合などです。

 

元々は法規制内のエアガンでも、内部のカスタマイズや外装のドレスアップによって規制違反品になってしまうこともあります。

 

これらの判定基準となるのが「改正銃刀法」です。この法律の詳細を理解することで、自身のエアガンが法律に適合しているかどうかを確認することが可能となります。

 

ここでは「改正銃刀法」について詳しく解説します。

 

改正銃刀法

「改正銃刀法」は、それまでの「銃刀法」が現状に合わせて改正されたもので、特にエアガンの威力の規制に焦点を当てています。

 

(準空気銃の所持の禁止)

第二十一条の三

何人も、次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、準空気銃(圧縮した気体を使用して弾丸を発射する機能を有する銃であつて空気銃に該当しないもののうち、内閣府令で定めるところにより測定した弾丸の運動エネルギーの値が、人を傷害し得るものとして内閣府令で定める値以上となるものをいう。以下同じ。)を所持してはならない。

引用:e-GOV法令検索|銃砲刀剣類所持等取締法

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=333AC0000000006

 

2000年代に入り、改造エアガンによる器物破損や傷害事件が頻発したことがそのきっかけでした。さらに、2006年には6Jといった高威力に改造されたエアガンがショップで販売される事態も生じました。

 

これらのエアガンの高威力化に歯止めをかけるため、「銃刀法」は2006年に改正されました。この規制により「空気銃」と「エアソフトガン」との間に「準空気銃」というカテゴリーが設けられ、銃口初速が98m/s(0.989ジュール)以上の威力を持つエアソフトガンを殺傷力の高いエアガンとして規制対象にしたのです。

 

銃の種類 威力の定義 ジュールの基準
空気銃の種類 人に生命に危険を及ぼす 20J/㎠以上
準空気銃の種類 人を傷つける恐れがある 3.5/J/㎠以上20J/㎠未満
エアソフトガン 安全な玩具である 3.5/J㎠

引用:警察庁|銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律(平成18年法律第41号)により新設された規制

https://www.npa.go.jp/policies/evaluation/04jigo-hyouka/jigyo_hyouka/13juutouhou/24juutouhou-hyoukasyo.pdf

 

エアガンの弾速についてはこちらの記事でも解説しています。

>>エアガンの弾速・初速の定義と計算表

 

エアガンとジュールについてはこちらの記事でも解説しています。

>>エアガンのジュール規制とは?都道府県別のジュール規制も紹介します

 

模造拳銃の所持禁止(銃刀法22条)

「模造拳銃」という言葉は、ハンドガンタイプのトイガンを指すもので、エアガンだけでなくモデルガンも含まれますが、ここではあくまでもエアガンに焦点を当てて解説します

 

(模造拳銃の所持の禁止)

第二十二条の二

何人も、模造拳銃(金属で作られ、かつ、拳銃に著しく類似する形態を有する物で内閣府令で定めるものをいう。以下この項において同じ。)を所持してはならない。ただし、事業場の所在地を管轄する都道府県公安委員会に届け出て輸出のための模造拳銃の製造又は輸出を業とする者(使用人を含む。)が、その製造又は輸出に係るものを業務のため所持する場合は、この限りでない。

引用:e-GOV法令検索|銃砲刀剣類所持等取締法

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=333AC0000000006

 

「模造拳銃」の規制対象はもともと金属製のトイガンであり、樹脂製のエアガンとの関連性は薄くなっていました。

 

しかし、近年ではオークションなどでハンドガン用のメタルスライドやメタルフレームが取引されるようになり、これらの全金属製の外装パーツに換装したエアガンは、エアガンではなく金属製モデルガンとして規制対象となります。

 

また、エアガンであっても、銃口部が塞がれていない、または内部にインサートが入っていないものは、モデルガンとして取り締まりの対象です。

 

また、リボルバーも同様で、シリンダー前面が塞がれていない場合は規制対象となります。さらに、金属製モデルガンとして判定されるため、銃本体の色は白か黄色に塗り直さなければなりません。

 

これらの条件を満たさない場合、エアガンは銃刀法違反の模造銃として規制されます。これらの知識を持つことで、エアガンの使用に際して法律を遵守することが可能となります。

 

外観/素材 所持が禁止されているもの
金属 銃口がふさがれておらず、全金属製になっている
白または黄色でないもの

 

拳銃に該当するエアソフトガン(銃刀法2条)

エアガンもモデルガンと同様に、特定の条件下で模造銃と認定されるケースがあります。具体的には、実弾を発射できる機構を備えていると判断された場合です。

 

その一例が、タナカワークスが銃刀法違反に問われた「カシオペア事件」です。タナカワークスが開発した「カシオペア」は、ガスリボルバーの発射方式で、カートリッジ内に放出バルブとガスを内臓させた「蓄圧式」を採用しています。

 

これは実弾と似た構造をエアガンカートリッジに取り入れたもので、そのリアルさが問題となりました。

 

このカシオペアシステムは、警視庁により実銃と認定され、タナカワークスは銃刀法違反の容疑をかけられました。

 

その後カシオペアを搭載したタナカワークスのリボルバーは現在でも規制対象とされ、所持が禁止されています。

 

その他銃刀法違反には該当しない条例

これまでに、改正銃刀法とエアガンの関連性について説明してきました。しかし、18歳未満の子供が18歳以上用のエアガンを購入または所持することを直接禁じる法律は存在しません。

 

その詳細は、国の法律ではなく、各都道府県の「青少年育成条例」によって定められています。多くの都道府県では、一定の威力を持つエアガンを18歳未満の子供に販売または使用させることが罰則付きで禁止されています。

 

ここで重要なのは、この禁止対象はエアガンを販売する業者、つまりショップの人々であり、禁止されている行為は子供へのエアガンの販売です。

 

一方で、「子供がエアガンを持つこと」自体を罰則付きで禁じている地域はありません。しかし、警察に発見された場合、補導されたりエアガンが没収される可能性はあるでしょう。

 

(不健全指定がん具類)

東京都青少年の健全な育成に関する条例では、エアガンのうち、発射された弾丸の威力が銃口から50cmの地点で0.135ジュールを超えるもの(おおむね銃口から3mの距離にある四隅を支え持った状態の新聞紙5枚を貫通する力に相当するもの)を、不健全がん具類と指定し、18歳未満の青少年に販売等することが禁止され、また、所持させないように努めるように定めています。

引用:東京都生活文化スポーツ局|ご自宅に下記のエアガンはありませんか?!

https://www.seikatubunka.metro.tokyo.lg.jp
/tomin_anzen/jakunenshien/jyourei-unyou/eiga-tosyo-ichiran/airgun-chuui/index.html

 

エアガンの所持による罰則

エアガンの特性や威力により、場合によっては銃刀法の規制対象となることがあります。具体的には、人の生命に危険を及ぼす可能性のある「空気銃」、人を傷つける可能性のある「準空気銃」、そしてエアガンやモデルガンを改造して拳銃に該当する「改造拳銃」が該当します。

 

これらのエアガンを保有するだけで、銃刀法違反となり、罰則が科せられます。罰則の内容は、保有していたエアガンの種類により異なります。例えば、「空気銃」の場合は3年以下の懲役または50万円以下の罰金。

 

「準空気銃」の場合は1年以下の懲役または30万円以下の罰金、「改造拳銃」の場合は1年以上10年以下の懲役(2つ以上所持した場合は1年以上15年以下)となります。

 

銃刀法違反のエアガンにお困りの際は

ここまでエアガンが銃刀法に適合しているのか、違法品なのかを判断するための知識を解説しました。

 

もし自分が所有しているエアガンが違法品の恐れがある際は、まず、外装パーツがオールメタルの場合は樹脂製パーツに戻しましょう。

 

また、蓄圧式カートリッジの場合は、メーカーの相談して回収を依頼してください。昔の高威力のハンドガン(デジコン製品など)の場合は、最寄りの警察署へご相談ください。

 

ただし、ご遺族の遺品のエアガンなど「そもそもこのエアガンは銃刀法違反になるの?」がわからない場合は、ガンコレクトへお問い合わせいただくと、もしかすると買取できる場合があります。