引用元:東京マルイ エアソフトガン情報サイト|L96 AWS ブラックストック – ボルトアクションエアーライフル
L96AWSは、VSR10に続く東京マルイのボルトアクションライフル第二弾です。
VSR10の実射性能で高い評価を得た東京マルイが次に目指したものが、「実物のスタイルを忠実に再現」することでした。
そのためにL96AWSには様々なアイデアと新機構を投入しました。
それらの新機構がL96AWSにどのような特徴をもたらしたのかをご紹介します。
全長 | 1120mm |
インナーバレル長 | 500mm |
重量 | 3,460g |
装弾数 | 40発 |
メーカー希望小売価格 | 29,800円(税別) |
L96AWSは東京マルイがボルトアクションライフル第二弾として2009年8月26日に発売されたエアコッキングライフルです。
前作のVSR10では元になる実銃がないオリジナルデザインであったため、一部ユーザーから「架空銃」と揶揄されていました。
それに対して今回のL96AWSは、イギリスのAI(アキュラシー・インターナショナル)社が開発したL96シリーズをモデルにしています。
L96シリーズはイギリス軍にスナイパーライフルとして採用されたのを皮切りに、世界各国の軍隊で採用されています。
東京マルイのL96AWSには前作のVSR10には見られなかった「実銃のスタイルを忠実に再現」というこだわりが伺えます。
エアガンとしての使いやすさを優先させたVSR10との違いと特徴をご案内します。
東京マルイがL96AWSで一番にこだわったのは、「実銃のスタイルを忠実に再現」することです。
前作のVSR10ではエアガンとしての使いやすさを最優先にしたデザインで多くのユーザーから支持されたのですが、
オリジナルデザインであったため「架空銃」や「オモチャっぽい」という心もとない声を上げるユーザーもいました。
そのため今作のL96AWSでは、マガジンの挿入口を実銃と同じ位置に再現するため、新たな内部機構を組み込みました。
これについては後ほど記述します。
また可変式チークピースやバットストックを兼ね備えたサムピース式ストックも実物を忠実に再現されたスタイルで、
内部に金属シャーシを入れて剛性をアップさせています。
L96AWSがこだわった実銃同様のマガジン位置の再現をするために組み込まれたのが「ローディングエスカレーター機構」です。
実銃ではチャンバーの位置がトリガー周辺に位置するのですが、
エアガンの場合ではシリンダー長の関係で実銃同様の位置にマガジン挿入口は実銃よりもかなり前方に位置します。
そのいい例がVSR10のマガジン位置です。
この問題を解決するためにL96AWSではマガジンからチャンバーまでにBB弾を運ぶスロープ付きルートを設けました。
このルート内のBB弾をシリンダーノズルの付けられたプラスチックプレートで押し上げてチャンバーまで運ぶのが「ローディングエスカレーター機構」です。
この機構は確かに実銃と同様のマガジン位置を実現しましたが、それと引き換えに給弾の確実性といったマイナスな面ももたらしました。
VSR10シリーズの最大のウィークポイントがチャンバーの気密漏れでした。
この問題は発売後20年近く経った今でもそのままです。
VSR10の気密漏れの原因は、左右張り合わせのモナカ形式のチャンバー構造にあります。
VSR10のエア漏れ対策には様々なパーツが発売されていますが、根本的な改善はなされていません。
このVSR10の機密漏れに対するユーザーの声に対する答えが、L96AWSのチャンバーです。
L96AWSのチャンバーの特徴はネジによって密閉する前後2ピース構造で、ホップパッキン付きのインナーバレルを包み込みようにガッチリと密閉してくれます。
VSR10よりはかなりゴツイチャンバーで、気密漏れに関しては劇的に改善されています。
東京マルイのL96AWSでは、本物同様のプレス製のアウターケースを採用したマガジンが付属します。
また装弾数もVSR10よりも10発多い40発となっており、より火力が増しています。
一見いいことずくめのこのマガジンですが、実は少し闇を抱えています。
その闇とはある一定以上の弾数をこえるとBB弾の装填が固くなることです。
これはマガジン内の給弾ルートが急角度で曲がっているために、そこでBB弾が引っ掛かってしまい抵抗となっているのです。
この状態で無理やり給弾するとBB弾を傷つけたり、BB弾ローダーが壊れたりするケースも起こります。
事実私も、L96のマガジンの硬さで、BB弾ローダーを2つ壊した経験があります。
東京マルイのL96AWSには最初から光学機器搭載用のレイルとスリングスイベル、バイポット用のアダプターが付属しています。
この状態で後はスコープやバイポットを取り付けると、そのままスナイパーライフルとしてすぐに運用が可能です。
ただ、その際に気をつけたいのは、ご自身の筋力の強さです。
実銃のL96A1は本体重量が6.5キロもあるヘビーなライフルですが、東京マルイのL96AWSも本体重量が3.5キロという重量級になっています。
これにスコープやバイポットを取り付けると裕に4キロをオーバーするでしょう。
VSR10のつもりで購入すると、非力な人では立射での狙撃はかなりの苦行になります。
筆者はL96の軽量化としてショートバレルを組み込み、バイポットを着けずに運用していました。
東京マルイのL96AWSの特徴の6番目は「狙撃に特化したスタイル」です。
先ほど述べたようにレシーバーには光学機器の搭載を前提とした20㎜レイルが標準装備されています。
ハンドガンのような角度で握れるサムホール付きストックは狙撃の際の手首の負担をやわらげてくれます。
またストックには頬付けの高さを任意で変えられるチークピースが付けられています。
ストック後端には射手の体格に合わせて厚みを変えられる調整式バットストックになっています。
こういった狙撃に特化したデザインはVSR10には見られないもので、L96AWSがVSR10よりも進化したところだと言えるでしょう。
さらにアウターバレルもブルバレル仕様で迫力があり、いかにも軍用の狙撃銃という雰囲気を漂わせていますが、
マズル先端にはサプレッサーが取り付けられるようになっています。
ただ全長が1,120mmもあるので、その先にサプレッサーを取り付けると、取り回しが一層扱いにくくはなります。
先ほどの特徴のところで「L96AWSのチャンバーはVSR10に比べて気密漏れが劇的に改善された」と述べましたが、
その影響が、銃口初速や集弾性にどう表れているかを数値データでご説明します。
東京マルイのL96AWSの初速は0.2gBB弾を使用した計測で、最高95.48m/s 最低 92.98m/s 平均 94.18m/sという高い数値が出ています。
これは発売当時の2009年夏のデータですが、箱出しにしては少し初速が高すぎとも言えるでしょう。
むしろ、フィールドによってはレギュレーションオーバーになるかも?と心配させられるレベルです。
これも気密が改善されてパワーロスが減少した結果でしょう。
レビューサイトによっては電動ガンやガスガンの集弾性を、5m先のターゲットに撃ち込むAPSカップのルールで計測していますが、
スナイパーライフルの場合では、その計測方法では参考にならないでしょう。
一応無風レンジで8.5m先のターゲットに0.29gの重量弾を10発撃ち込んだ計測方法で35㎜というデータも出ています。
ただスナイパーライフルが戦う土俵は30m以上のロングレンジです。
この距離での重量弾を使用して得た150㎜前後の数値が、実用的な集弾性のデータと言えるでしょう。
東京マルイのL96AWSについてここまで文面で説明してまいりましたが、
L96AWSに興味をお持ちの方なら動画でL96AWSの実射性能をご覧になったほうがより理解しやすいでしょう。
この動画でL96AWSについて実感できるのは、コッキングの軽さ、ストックの質感の高さなどです。
また、L96AWSの目玉であるローディングエスカレーターについても、ストックとアクションを分離して、
マガジンからチャンバーまでの給弾ルートを見せながらその仕組みを説明しています。
筆者は現役サバゲーマーの時に東京マルイのL96AWSを3年ほど使用していました。
その時の経験を元にレビューします。
まずL96AWSの感想で一番印象に残ったのは、とにかく「重たく、長い」ということです。
本体重量約3.5㎏、スコープやバイポッドを付ければ4.5キロ近くまでなるL96AWSは非力な筆者には扱い辛いモノでした。
また、ホップもかかり辛く、箱出しでの重量弾の使用は諦めました。
そのため筆者が取った対策は、ショートバレルによる軽量化と、高レートスプリングへの交換、長掛けホップの導入、インナーバレルカットによる初速調整です。
所謂「流速チューン」と呼ばれる手法です。
これにより取り回しが若干改善され、重量弾にも適正なホップがかかるようになり、スナイパーライフルらしいものになりました。
この状態で3年ほど使ったのですが、結局はVSR10-Gスペックに戻りました。
東京マルイのL96AWSはチャンバーの気密漏れ改善とスタイルのリアルさを追求したために、使い勝手を考えるとVSR10にはあった良さが消えてしまったエアガンです。
ただ勘違いしないで欲しいのは、L96AWSのデキが悪いのではなくVSR10のデキが良すぎるのです。
その根拠はVSR10の社外パーツがいまだに出続けているのに対して、L96AWSの社外パーツの数がほとんど増えていないことからも伺えます。
つまり市場の需要はVSR10の方がいまだに高いのです。
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東京マルイ エアコッキングガン
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